吾子の顔。

片手に収まるくらいの小さな坊やの顔を見ながら、いろんなことを考える。赤子は私のいろいろなところを刺激するのか、傍のペンをさしたメモ帳がすぐにいっぱいになる。

娘の時ははじめての育児に手一杯でこんなに記録を残せなかった。入院のおかげではある。

まだ油膜の張った透明な透明な瞳。

何か言いたげな口元。

ちょっと大きめな鼻。

さっと書いたような眉。

私によく似た耳。

長い指と綺麗な形をした爪。

時折ニヤリと笑う。

吐息はどこまでも甘く、

全体的に油っぽい匂いがする。

髪の毛は上質な毛皮のように滑らかでいくらでも触っていられる。

日々乳を飲み、日々重くなる。

でもまだまだ小さい。

かと思えば思わぬ力強さに驚く。

夢うつつで鳴き声をあげる。

泣くとき顔がおにぎりのようになる。

きみはいつか笑えるようになり、くしゃくしゃの顔で怒ったり、わんわん泣いたり、イヤダイヤダというのだろう。

夜泣きしたり、離乳食を食べなかったり、熱を出したりするのだろう。

真夏でも真冬でも外で遊びたいと言うのだろう。

嫌なことがある日も来るだろう。

学校に行きたくないと言ったり、家出したりするかもしれない。

私はほとほと疲れて、全て投げ出したくなる日も来るかもしれない。

それでも、この今の寝顔を忘れないようにしよう。

きっと、きっと、すぐにきみは大きくなって、私の手の届かないところへ行ってしまう。

生きていてくれればそれでいい。

学校はどうでもいいから、できれば本をたくさん読んで、たくさん旅に出て、たくさん恋をしてほしい。

いろんな人やものや場所に出会って、自分の居場所をみつけてほしい。

今のこの気持ちを忘れないように。

今を綴り書き留める。

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