子守唄。

深夜、同室のスリランカから来たという家族が、聞きなれない子守唄を歌っている。

少しスパイスの香りのする、とても美しい旋律で思わず私も小さな声で唄う。

なんという唄だろうか。

明日訊いてみようか。

窓の外は台風。バチバチやらごおごおやら。

風が唸り、雨が大地を激しく叩く。

木が軋み、水が溢れる。ざぁざぁ。

台風の夜に子を宥める美しい唄。

小児病棟は会話が少ない。まだ話せない子供たちが多いからだ。

彼らは泣くことでしか辛さや意思を伝えられない。

でも母たちは語りかける。やさしく、ときにほんの少し苛立ち、焦り、でも、大丈夫、大丈夫と繰り返す。

子供たちにもそれは伝わる。

坊やはよく眠り

気づいたら朝が来ていた。

台風の後を、箒でさらっと掃いたような

美しい空。

キミとボクの1日がはじまる。

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