飛び出せ民芸!

前回の記事でレンテン族の布について書くと言いましたが、その前にちょっとこの夏に有った大きな変化を少し。

私は元々日本の手仕事が好きで、アメリカに行って更に、日本ってすごい。日本の手仕事最高!と思っていました。確かに日本の手仕事は丁寧で美しい。その一方で日本以外のものを見るのを怖がっている自分を感じていました。日本のものが一番いいと思いたがっていたのだと思います。

今思えば視野が狭い。狭すぎる。

もちろん北欧のものも好きでしたし、ネイティブアメリカンや他民族のものも好きでした。けれども、どれだけじっくり向き合ったことがあったかと問われれば、ほぼ無いに等しかったと思います。

そんな私にガツーンとパンチとキックを食らわせてくれたのが、ずっと行きたかった憧れの【松本民芸館】、そして【少年民藝館】という一冊の本との出会いでした。

実は少年民藝館はもう何度も読んだことがあったのですが、松本民芸館に行って改めて読んで見て、ガツーンときた感じです。

松本市街から車で五分、住宅街の中にひっそりと佇むお屋敷が松本民芸館です。自身も作り手であった丸山氏のコレクションが、美しく展示されています。建物も美しい、展示物も美しい…もう天国なんじゃないかしら?と思いました。

その中で目を引いたのが、日本のものだけでなく、海外の民芸の数々でした。

朝鮮からアフリカ、南米…世界中にはこんなに美しいものがあるのか、むしろこんなに美しいものを作れる人たちが、こんなにいるのか!!という当たり前の発見。とても嬉しい発見でした。

そしてその後に「少年民藝館」を読んで見ると、そこに書かれていたのは、単なる民芸品の解説ではなく、人種や国境を超えた同じ人間と、どこにでもあり、私たちの暮らしの側にあり、恵みを与えてくれ、また脅威にもなりうる自然へのリスペクトでした。

社会的に弱者と呼ばれていた人たちが作った、価値の低いと思われていたものを、いろんなフィルターを全て取っ払って、ただ使いよく、美しいかという純粋な視点からのみ大切に撰び、暖かな眼差しで語る。その語り口は偉そうではなく、愛にあふれています。

そのためか、写真を見て文章を読むと、そのモノを使っている人々の活き活きとした姿とその周りの景色が目に浮かぶようなのです。

丸山さんの文章をお借りします

「美しいものが美しい では何が美しいかと申しますと、色とか模様とか型とか材料とか色々あります。その説明があって物を見るより、無言で語りかけてくる物の美を感じることが大切です。何時何処で何人に使ったかということでなくその物の持つ美を直感で見て下さい。これはほとんど無名の職人達の手仕事で日常ふです。美に国境はありません」

最後の 【美に国境はありません】 が胸にずーっと響いていました。

ミンゲイという言葉に囚われてはいけないと柳さんも言っていたように、民芸とは、手仕事とは、ただ直感で、純粋な目でみるからこそ見出されてきたものばかりです。

とはいえ、取っ掛かりとしての知識や、モノの持つ背景を知ることでより豊かに楽しめるのも事実。

あまり頭でっかちにならずに、考えるな!感じろ!の精神で、これからも世界の美しい手仕事を見ていこうと思います。

ちなみに、外村さんは、目を養うには良いものを見るのが一番だと言っています。だから民芸館や民芸店に行って、選ばれてきたモノを見て、アンテナを伸ばして、自分の心のヒダを増やして、ピーン!と来るように準備運動をしておくのですね。

民芸についてもうちょっと知りたいなと思ったら、まずは民芸館、民芸店、そして【少年民藝館】をご一読くださいとオススメしたいと思います。

さぁ、飛び出せミンゲイ!!

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