民藝の入口、そして道標。もやい工藝さんについて書いてみた。

民藝に関わるお店を紹介する記事を書こうと思って、頭にパッと浮かんだのは三つの店でした。その中でも私が初めてきちんと民藝と出会ったお店、もやい工藝さんを今回はご紹介したいと思います。

鎌倉駅を降りて、トンビの鳴き声を聞きながら、小町通りをぬけて、閑静な住宅街を横目に、水が上から時折滴る緑深いトンネルを抜けて坂を下りて行く途中にひっそりと呼吸をするようにそこにある ともすれば見落としてしまいそうなほど、鎌倉の佐助という土地にぴったりと嵌っているお店。それが私のもやい工藝の印象です。

門の間から、生い茂る木々の間から見えるお店には、いつもたくさんの器が並んでいて、凛とした澄んだ空気が流れています。あれだけの品物があるのにもかかわらず、空気が流れていて居心地が良いのは、鎌倉の山々のなせる技なのか、それとも日本各地から厳選された美しい手仕事たちが集まっているからなのか…その両方なのでしょう。とにかく 「あゝ美しい…」と凛とした空気の中で、その空気感を壊したくなくてそっとため息をつくお店です。

もちろん今は亡きオーナーの久野さんの意思と眼を継がれている 息子さんの民樹さんや、店員の皆さんの選んだものは全て素晴らしいのですが、お店自体もものすごく美しくて、厳選された建材を使って、丁寧に建てられている事がわかる素敵な空間。その空間が手仕事のものたちをさらに魅力的に見せています。

奥の間は凛とした空気が少し緩んで、ホッとする感じがします。松本民芸家具と、ノッティングの椅子敷きが…こういう家に住みたい…と夢膨らむ空間です。

また、私は民藝の器に花を生けるのがとても好きなのですが、もやい工藝さんの花あしらいは、いつもはっとするほど素敵なのです。沖縄の角瓶にお花どーん!とか。ちんまりと可愛い野の花が生けてあったり、見るたびに、こういう感じもいいなぁ~と器の使い方を考えるきっかけにもなります

器を家で使う様子、器たちが働く様子をなんとなく想像できるのも、もやい工藝ならではかもしれません。

扱っているものは幅広く、日本各地だけでなく、ブロックプリントや真鍮など外国の手仕事も見る事ができます。

そして、私がもやい工藝をおすすめする理由の一つに、価格があります。

これはあくまで予測なのですが、昔から、民藝ブームが来る前から職人さんたちと一緒にものを作り上げてきた もやい工藝さん、オシャレな美術的な、作家的なものとしてではなく、あくまでも民藝のもの、すなわち誰でも手に取ることができ、日常の中での用をはたし、かつ心を潤してくれる美しさも兼ね備えているもの。

そういうものを扱ってきたからか、値段がとても手頃に設定されています。

 同じものが都内のセレクトショップだとかなり割高になっているのを見たことがあるので、確かなものを素直な価格で購入できるのは、使い手にとって本当に嬉しいことなのです。

残念ながら、作り手さんが減ってしまったり、材料の入手が困難になり、生産数が下がり年々値上げの傾向はあると思います。でもそれでも職人さんの手間、そしてつなぎ手であるお店の手間を考えれば、きちんとした値付けであると私は思います。(むしろ欲しいものがあるなら、買うのは今でしょう)

そして今は亡き店主の久野さんは、手仕事フォーラムの設立や、本の執筆など、最期まで民藝を後世に伝えようと力を尽くされました。その意思がもやい工藝には受け継がれています。

民藝の入り口にも、民藝とは…と思ってなんだか難しくなって迷ってしまった時にも、もやい工藝は民藝好きにいつも開かれています。


長々と書き連ねましたが、お店の良さは行って見て、商品を手にとって、店員さんと話して…そして空気感を感じて初めてわかるもの。ぜひ一度訪れて見てくださいね。

ちなみに!6月17〜20日まで、北鎌倉のPOMPON CAKES BLVD さんで、もやい工藝さん、そしてmoyaisさんの三つのお店がコラボレーションしたイベントが行われます。 期間中は民藝の器でケーキやドリンクをいただけるそうですよ。そしてお店の設も民藝のものが沢山使われるそう。きっと民藝のものを日常に取り入れるヒント満載。そしてPOMPONさんの店頭にmoyaisさんのポップアップストアも出店されるそうです。専用のインスタグラムアカウントもありますよ。

(アカウント名 @okashi_and_mingei)

私も行きたい…!!だってイベントのために作られた黄色のいっちんのお皿やピッチャーがとても可愛いのです。ケーキ皿いいなぁと悶えます。窯元さんと新しい器作りをしているところも もやい工藝さんならではかもしれませんね。

 鎌倉駅からバスで20分ほどなのでぜひ足を伸ばして見てくださいね。

昔からの伝統を今に残してさらに広めていく!という涼しくみえて熱い風が吹いている鎌倉。これからも目が離せません。

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